マテリアル設定とは、CG上での質感設定の作業です。資料や写真など参考にシーンデータに入力していきます。これをマスターするには、物質の持つ物理的な特性をある程度勉強する必要があります。

>それほどのリアリティを要求されない場合は、厳密な物理特性(例えば、反射や屈折率など)を入力する必要はありません。設定が厳密ならば良い。というわけではありません。(詳しくは後述します)


まず、その物質のもつ色を設定します。木材のような複雑な模様を持つ部材は、実際に木材を撮影したデータを、モデリングデータに設定することで、木材の質感を表現することも可能です。模様を貼り付け方にはいろんな方法があります。テクスチャ画像の投影方法と読んでいて、これは入門編ではふれません。

物質の質感というのは、色だけでははありません。各物質の持つ特性を再現できるようになってきています。これはソフトが高機能になりPCの性能が上がってきて可能になりました。つまり「より写真に近いCGを作ることができるようになった」ということです。

この質感設定では、物質のザラザラ感、 凸凹感も表現可能です。たとえば、タイルの目地などの凹凸部分では、目地の凹凸を形状で作成しなくても、あたかも凹凸があるかのように表現することも可能です。

たとえばガラスは、透過色、透過率、反射率などを設定することはもちろん、表面の仕上げ、たとえば磨りガラスのように透過する際に光や像が拡散する様子もCG上で再現できます。金属も同様に、反射する際の色も設定できるので、金属特有の表現を作り出すことができます。

が、しかし、ガラスに全ての質感を設定しないでください。意味を知らないで設定してしまうと、レンダリング時間を簡単に10倍や100倍にしてしまうことがあります。

質感をより現実のものに近くすることは、時間などの制約があります。正直に物理的な特性を設定すると、レンダリング時間がかかりすぎてしまいますの で注意しましょう。最終的に目指すクオリティや目的にあった設定をします。こういうのは簡単なのですが、どこまで設定するか。これの見極めが大変難しいと 言えます。プロでも失敗してしまって焦ることがあります。