VectorWorks (建築系CAD)で建築パースモデリング&Cinema4Dにインポートすることについて紹介します。

VectorWorksのデータを利用

VectorWorksのデータを利用する。クライアントからモデリングデータを受け取り、それを利用して建築CGパースやアニメーションを制作することが多くなってきている。特に、VectorWorksでのデータを受け取ることが多い。VectorWorksには3Dモデリング機能があるからだ。もともとは社内検討用パースのためのデータを、外部にCGを依頼してプレゼン用CGパースやアニメーションをつくる際にも利用するということだ。

モデリング(形状入力)をVectorWorksで行う

VectorWorksは、本来建築製図用CADソフトだが、建築モデリングをするためのモデラーとして使うこともできる。もし、VectorWorksユーザーであれば、VectorWorks上でモデリングすることは現実的で、モデリングソフトを導入する追加コストもない。もちろん覚える操作も少なくて済むはず。

VectorWorksは、3D形状を入力してプレゼン用の簡易パースなどを作る機能を持つ、さらにRenderWorksというレンダラーを含むパッケージなら、レイトレーシングでのレンダリングができる。ただし、建築設計者が、自分たちの手でプレゼン用CG画像をつくるためのものと割りきった方が良い。

いくらVWが3Dモデリング機能が付いているとして、あくまでもオマケと思っていたほうが良い。もしJWCADなどを使っているとしても、建築モデリングをするためだけならSketch Upなどを検討したほうがよい。

VectorWorksからCinema4Dに3Dデータ(DXF)を渡す方法。VectorWorksにはDXFのエクスポート(書き出し)して、Cinema4DでDXFをインポートするだけ。それぞれのインポート/エクスポートは標準機能であるため、特別な追加インストールなどは必要ない。

VWレイヤーリンクを使った場合のエクスポート。VectorWorksで3Dモデリングする際には、レイヤーリンクという機能が使える。複層の建物を、階毎に別レイヤーにモデリングするための機能。そのレイヤー毎に高さ(位置)を設定することで。全体を見るときにはそれぞれの高さを反映させて表示することができる。ただし、この機能を使った場合、レイヤー毎に設定された位置はDXFエクスポートに反映されない。これを回避してCinema4Dにインポートするには、階毎(レイヤー毎)にVWからエクスポートして、階毎のDXFファイルを用意することが必要になる。1~3Fの建物ならば、1F,2F,3Fと、三つのDXFファイルを作成することになる。

階毎にエクスポートされたファイルは、たとえば、1Fや2Fというファイル名を付けておくと良い。これをCinema4Dでインポートする。インポートされた毎に、Cinema4D上では、ヌルオブジェクトにDXFファイル名がつく。1F.dxfというファイルをインポートすれば、1Fというヌルオブジェクトに包まれた形状データがオブジェクトブラウザに表示されるはず。これらの操作を、階数分繰り返せばいい。

VWのシンボル機能使った場合の注意。VectorWorksは、2Dだけでなく3D形状にもシンボルを適用することができる。これもDXFエクスポートする際、うまく書き出せないようだ。この場合は、すべてのシンボル機能を解除して通常のオブジェクトに変換する。これを怠ると、Cinema4Dなどのソフトにインポートした場合、シンボルを利用した形状は、本来の位置に表示されない。※原点にオリジナルが一つだけ配置される。

VectorWorksのような三次元モデリングすることができるCADソフトでも、すんなりとCGソフトにデータがうまく渡せるわけではない。実はVectorWorksとCinema4Dには双方向にデータを交換できるプラグインがあり、使いこなすと便利。ただし、VectorWorksからCinema4Dへ(一方通行の)データ渡しであれば、DXFを経由するやりかたで問題ない。